2005年04月14日

キャッシュカードがあぶない

 発行:文藝春秋

貴方のキャッシュカードは狙われている。
銀行の口座開設のさいには必ず銀行の約款事項にサインしている。だが、私たちは普通そんなものは見ない。それ以前に恐らく興味すらない。
だが注意して約款を見てみると、必ず日本の銀行の約款事項には、
「お客様の暗証番号が盗まれた場合の責任について、銀行は一切責任を取りません」
という内容が書いてあるはず。
となると日本の銀行にお金を預けた場合、貯金者への救済処置がない。何かが起こった場合、それに対抗する術をほとんど持たないのが貯金者である。
この本はキャッシュやクレジットカード犯罪の実体と、実際に被害にあった人たちを取材し、より巧妙なカード犯罪とそして被害者を取り巻く過酷な状態を浮き彫りにしたルポルタージュである。
この本ではカードの磁気を盗む、「スキミング」の方法についても詳しく書いてある。年々カード犯罪というのは巧妙さと技術が高まっている。機械に対する犯罪はいたちごっこできりがない。諸外国では盗まれることを前提としてシステムを作っていると言うことがよくわかるが、日本ではそういう考え方はしないようだ。「うちは万全を尽くしているのだから盗まれたあなたが悪いのでしょ」という理屈のようだ。現在様々な防御策がようやく出てきているが、やはり「あんたが悪い」理論は直さないらしい。
ゴルフ場でのスキミング犯罪グループが逮捕されたが、あのケースと同じように被害者の人たちは暗証番号が一発で当てられている。ゴルフ場のケースの場合は、金庫の番号と暗証番号が一緒だったと言うことであるが、例えば自分が犯罪をする場合、あらかじめ何らかの方法で情報を仕入れ、ターゲットを絞り、そして狙う。この方法だと盗んでから暗証番号を調べる手間が省ける。他の犯罪グループはいかなる方法で暗証番号を仕入れているのだろう。

おかしな法律システム、おかしな警察機構、長々として負担とリスクが大きい裁判。遠隔スキミングまで出てくるとなるとやはり対抗策を考えるよりも、被害にあってからの対策を考えた方がより犯罪防止になると考える。アメリカやヨーロッパでは盗む気が起きないようなシステム作りをしているという例も載っている。

あらゆるセキュリティーには絶対に穴があると考えた方がいい。その上での犯罪防止策が必要なわけだが、これは銀行や国への強烈なプッシュが必要になるだろう。日本人の役人気質の腰は重いのだ。

私が銀行やカード会社に言えることは、怠慢こそ顧客を逃す最大の罪だ、ということだけです。それこそ会社側にとって最大の被害になるのでは?

LINK
ひまわり草の会[ヒマワリソウノカイ]
盗難・偽造キャッシュカード被害者の会
http://www.yy-com.jp/himawariso/index.html
posted by ハヤブサ at 00:29| Comment(0) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: この国の銀行の歪んだ貌 §晴天の霹靂  銀行に預けておいた預貯金が、忽然と消え失せる。にわかには信じがたいことだが、それが現実に起きている。しかも、驚くほどの件数が多発しているのだという。被害..
Weblog: Augustrait
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