2006年02月14日

負け犬の遠吠え

発行:講談社

この本が「悪の枢軸」です(笑)
 30歳を過ぎた未婚で子どものいない女性はすべて「負け犬」とした上で、なぜ負け犬になるか、負け犬の特徴を挙げて、痛快かつユーモラスに仕上げている。自分を「負け犬」と認め、開き直ることで「聖域」と呼べるほどの不可侵領域を築き上げている。

 もう、ここまで書いたらもはや別世界の人のように見えてくるが、本当にこれはギャグの本ではないかと思うほどにおもしろかった。思い当たるふしがありすぎた。もちろん私が男性だから気楽なのかもしれないが、該当する女性はあからさまに敵意と憎悪をむき出しにし、これから負け犬になりそうな女性に不安感を与え、専業主婦からは足蹴にされそうな内容である。彼女らはさっさとこの本を集めて広場で燃やしつくし、高々と燃え上がる炎を囲んでほくそえみたい気分になっているであろう。ぜひ、作者には生涯負け犬として過ごし、負け犬として死に、その間際に負け犬でいることの功罪を本にしてシリーズ化して欲しいと思う。まさに命を削って日本国家に奉仕する役を彼女は石をぶつけられてでも買って出たということだ。物事に犠牲は必要だ。ぜひ、現代女性のキリストとなっていただきたい。

 「結婚」に重きを置いた書ではあるが、なにせ比喩が冴えまくっている。内容も対象者にいたっては当たっている部分があるかもしれないと思った。女性に関しては確かに「タイムリミット」がある。それはあからさまに「出産」に関する「タイムリミット」である。現代では働く女性が多くなってきているし、日本の会社における女性への保護も不十分といわざるを得ない。せめて会社に保育室と保育士くらいつける意気込みは見せて欲しいが、それをやると会社の財政がモロに圧迫される。働く女性がブランクを作ることはリスクが多すぎるのだ。働く女性は子供を産みづらいなんて理不尽さを感じさせる。

 紀宮様を負け犬のシンボルとしてあげていたが、3年ほど前の本なのでその間に様子は変わった。働く女性のペースから言って、結婚するタイミングというのは非常に気を使うのではないだろうか。むしろ、結婚しないで同棲、という選択肢もあるし必ずしも「結婚」や「子ども」という部分にこだわって「負け犬」とする必要性もないと思うのだが、どこかある一定の年齢を過ぎて心情が変わっていくさまは的を射ていると思う。今から中年を過ぎるあたりの自分を想像しようと思ってもまったくできない。それは当たり前だと思う。だからこそ、彼女の文章は「ある一定の年齢を過ぎて変化するもの」の一例として非常に参考になるのではないかと思う。

 女性は男性の同年齢者より精神年齢が高いといわれる。私もガキっぽいことは平気でやるし、ガキっぽいことだと気がつかずに滑稽なことをやっている。そういう人間に対して「ああ、ものたりないわ。こんなダメ男じゃ」なんて思ったりすることはあると思う。そのような精神的(もしくは経済的)な幼稚さを男に感じて結婚に踏み切れない女性は少なからずいるのではないかと思った。となると、結婚できないのではなくて、結婚したくない女性が余っているということになるのでは?特に本の中での「35歳成人説」、つまり精神の成熟する年齢が大幅に20歳よりもずれているとしたら、余計に女性は物足りなさを感じるはずだ。

 途中のコラムでは負け犬男性がカテゴライズされている。「オタク男」「責任負うのが嫌な男」「女性を見下す男」「もてない男」「ダメ男」・・・確かにね、これも思い当たるふしがある。しかし男性は「生物学的タイムリミット」が女性よりもシビアではないため、悠長な気分でいられるのではないだろうか。その点から考えると、同じ年齢と条件を持って「負け犬」とするには、どこか違った印象を思わせる。「幼稚」という意味ではなく純粋に子供の部分を持っている大人はすがすがしいと思う。女性の皆さん、そういう男はダメでしょうか?

 負け犬が好む映画も挙げられていた。『ブリジット・ジョーンズの日記』『アリーmyラブ』『セックス・アンド・ザ・シティー』・・・いいのか、そんな偏見をつけつけて。映画の話は抜きにして、必ず失敗するタイプというのは存在する。それは己の失敗に対して自己弁護をしてさらに正当化するタイプは絶対に成功しない。相手を責めてもいけない。もし、どこか納得のいかない人生を送っているのだとしたら、それは自分で責任を回避していることが挙げられる。たぶん理想のない女性はあまりいないのではないだろうか。よくよく冷静に考えてみて、現状が理想とどれだけ離れているか客観的に分析できる視点を養えば、いつだって軌道修正ができるはずだ。それができなければ、後悔する人生が待っている可能性が高い。
posted by ハヤブサ at 18:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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