2005年12月22日

ベター・ハーフ

発行:集英社

THE 夫婦生活!
結婚、妊娠、出産を経て、人生における夫婦の諸問題をリアルに浮き彫りにした傑作。リストラ、不倫、介護、お子様受験などなど、夫婦なら誰しも一度は感じたことのある夫婦模様をそれぞれの理想と現実をギャップにして浮きたたせている。

恐らく夫婦ならこの小説を切実に受け止めると思います。それは、売れたことからもわかります。私は結婚はしていないのですが、個人的には嫌な話だったかなと。小説の評価としては夫婦間の実情をこれでもかというほどに描写している点は非常に優れているので高評価ではあります。でもこういう結婚する前にこういう本読んじゃうとどうしても結婚に抵抗感が出てきちゃうのが自分の気持ち。最初は小説の中みたいにラブラブで喜んでいてもだんだん現実がうざったくなってきて、夢のようだった恋人時代のことを懐かしく思うのかななんて考えると思わず震えちゃう。そうなると「ああ、結婚ってなんだろうなぁ・・・嫌だね」って思えてくる。

小説の最初はごく幸せそうな恋愛結婚からつまづくのだが、最初は浮気の問題からズバリと入ってくる。美人の奥さんをもらった男とつくしてくれるような男をもらって幸せを感る女。そしてハネムーンで喧嘩して成田離婚の危機。この出だしが嫌い。だからそのまま嫌いなままストーリーが続いています。というのも、お互い「形」から入ってる。これは、いわゆるわかりやすく言うところの容姿とか金とか目に見えるものから入ってる。極端に言えば「自分のことをちやほやしてくれて、しかも外のうわさも悪くない自慢できる男」で男は「俺の手で育っていく価値のある女」のような感じ。私はそう捉えてしまった。ようするに最初から「これから訪れる苦労を乗り越えていこうね」というものなんて微塵もない。未来が予想できないだけに苦労なんていつくるわかわからないにしろ、降りかかる苦労がへの心構えが行き当たりばったり。だからいつも「こんなはずじゃなかった」ということになっちゃう。それでも「形」にこだわって人生を過ごしていっちゃう。

たいがい男の口説き文句なんて「君には苦労させないよ」みたいなのが常套手段ではあるけれど、今日の女性の価値観はむしろ男のような考え方に近いかもしれない。特に仕事をしている女性はブランクをうむことによって仕事に支障をきたしたくないというのが本音のようです。そのうえでお互いのライフスタイルも大きく変わってきているし、時間がずれてお互いに話し合う時間もないと、いずれすれ違ってしまう。お互いの理想がありすぎて現実を見切れていないのはこの小説でも出てくるところですけれど、夫婦に焦点を絞るとどうにも不満を抱えてる夫婦は私自身の実感としても非常に強い。特に経済的な不利と子供の問題さえなければ離婚して新しい人生歩みたいという女性は少なからずいるように思えます。それが現在の日本の離婚率の高さにもよく表れているのではないでしょうか。離婚できるのはたいていは経済的な自立がある女性だと思いますから。

最初から苦労を見越して結婚する男女はなかなか少ないとは思うけれども、結婚と恋愛はまったく別問題。だって多くのカップルはその熱烈な愛が冷めてからも夫婦を続けていかなければならないのですから。

お金のない状態で、それでも愛し合えるなら本物の愛だと思いますけれど、現実はもっと切実に迫ってくるものです。お互いの現実を大切にし合うことこそ大事なのではと思うわけであります。

幸運は待っていては降りては来ない。いつも何らかの行動の元に幸運は訪れるのです。
posted by ハヤブサ at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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